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まいにちNetflix「クリーピー 偽りの隣人」【感想・レビュー】

まいにちNetflixは、わたしがNetflixで「面白い!」とうなった映画・アニメ・ドラマをまいにち紹介する企画です。

本日紹介する作品は映画「クリーピー 偽りの隣人」です。

ネタバレなし感想、こんな人におすすめ、ネタバレあり感想の三部構成になっています。お楽しみください。

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キャストとあらすじ

映画監督:黒沢清
主演俳優:高倉幸一 (西島秀俊)
     高倉康子 (竹内結子)
     野上刑事 (東出昌大)
     西野雅之 (香川照之)

あらすじ

元刑事の犯罪心理学者・高倉は、刑事時代の同僚である野上から、6年前に起きた一家失踪事件の分析を依頼され、唯一の生き残りである長女の記憶を探るが真相にたどり着けずにいた。そんな折、新居に引っ越した高倉と妻の康子は、隣人の西野一家にどこか違和感を抱いていた。ある日、高倉夫妻の家に西野の娘・澪が駆け込んできて、実は西野が父親ではなく全くの他人であるという驚くべき事実を打ち明ける 映画.comより引用

ネタバレなし感想

この作品は「サイコパスって、こういう人種」というサイコパスの紹介を兼ねた日本のサスペンス映画です。

大学で犯罪心理学を教える主人公(西島秀俊)は妻と共に閑静な住宅街に引っ越してくる。隣人の「西田(香川照之)」とご近所付き合いをするのだが、どうもうまく会話が噛み合わない。

こちらにとっては常識だと思って放った一言に対して西田は「ええ!?あなたはそんなことをするんですか?」と大仰に驚く。激しく怒ったと思いきや、次の瞬間には穏やかな顔ですり寄ってくる。

攻撃性が高く、独自のルールがあり、常に誰かを支配しようとする。言葉一つ一つに違和感を覚え、登場するだけで噛み合わない会話になんだか気持ちの悪さを覚える。

その気持の悪さが閾値を達し、この男は危険だと理解した主人公は警察の助けを借りながら常人離れした執念で調査を進めていく。

西田を知ろうと探りをいれ、奥へ奥へと真相へ近づき気づいたときにはとんでもない場所へと到達している。

サイコパスという人種、頭のブレーキが外れていたのは誰なのか、どこから戻れない地点に達していたのか。

演出、俳優たちの演技、エキストラ、風景、全てを総動員して違和感と気持ち悪さ、不安がどんどん膨らみ恐怖を味わうことの出来る作品です。

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こんな人におすすめ

身近にある恐怖という題材の作品を見たい方におすすめです。

ジェイソンのような荒唐無稽で実際にはいないであろう「超人」的な化物。見るからに危ない見た目をした通り魔。山奥に住む化物。

そのような現実から離れた存在ではなく「近所のおじさん」「今日あいさつした会社の同僚」のような一見普通に見える電車に乗ればいくらでも遭遇するような人間が驚異となる作品です。

邦画つながりで言えば「冷たい熱帯魚」のでんでんや、「凶悪」のセンセーのようなキャラクターを好むならベストマッチするでしょう。

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ネタバレあり感想

この作品は、サイコパスな方やサイコパスへの理解が深い方にとって心から楽しめる作品ではないでしょうか。

なぜなら登場人物の言動や仕草の意図が、サイコパスとして何もおかしくないからです。

例えば西田は「ええ!?そんなことをするんですか?」と驚くシーンが多々あります。サイコパスについて知らないと「なんだか変なセリフや流れだな」と思うのですが、個人的には全て納得できる会話や掛け合いでした。

サイコパスはじぶんルールが強いので「他人の常識」が自分にとっては「異文化」レベルの異常行動に映るのです。加えて共感性も低いので感情に寄り添った対応がが出来ません。

「A(悲しそう)ならB(ジョークでなぐさめる)の反応が正しいんだ」という考えをサイコパスが知ったとします。

サイコパスは方程式に当てはめることしかできないので、夫が死んで悲しむ妻に対して「夫が死んでA(悲しそう)だから夫の死を使ったB(ジョークでなぐさめる)」という傍から見ると頭がおかしな行動をとってしてしまうのです。

高い攻撃性を見せたと思いきや突然おとなしくなるのも、支配欲から説明がつきます。テキトーな表情やセリフに見えて一つ一つすべてに意味があると気づいた時、あまりの面白さにうなりました。

コの字型の住宅街を不安の象徴として見せた空撮、突然画面外からこちらを覗き込むエキストラ、銃を撃つか撃たないのか、犬の安否、不安が雪崩のようにおしよせます。

終盤の香川照之が一家を車に入れ「まだまだいくぞぉ(上機嫌)」というシーンもケレン味たっぷりで、この作品はいったいどこへ向かうのかというハラハラ感が楽しめました。

最後に西田が放った「これがお前の落とし穴だ」というセリフ。これは「銃を渡したら誰でも撃つ」という意味ではなく「銃を撃たない人種ではなく、俺もお前と同類なんだ」という意味だとしたら?

最初から誰よりも狂っていたのは西田ではなく主人公。だからこそ単調とも取れる彼の演技が妙にカッチリとハマっていたのかもしれません。

サイコパスについての記事でも紹介した本「診断名サイコパス」を読んでいたことや、サイコパスについての調べ物をしていたことでより一層、深く楽しむことが出来ました。

強くおすすめできる一品です。