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まいにちNetflix「マネーボール」【感想・レビュー】

まいにちNetflixは、管理人の@ぎゅうにくNetflixで「面白い!」とうなった映画・アニメ・ドラマをまいにち紹介する企画です。

本日紹介するのは映画「マネーボール」です。

「ネタバレ無し感想、こんな人におすすめ、数字のパワー」の三本でお送りします。お楽しみください。

キャストとあらすじ

映画監督:ベネット・ミラー
主演俳優:ビリー・ビーン   ブラッド・ピット
ピーター・ブランド ジョナ・ヒル

あらすじ

スカウトされ野球界に超高校級選手としてドラフト指名を受けたビーン(ブラッド・ピット)は、一流大学を蹴ってまでプロの道を選んだものの、成績が振るわないまま球団を転々としたのち現役を引退。スカウトに転身し、アスレチックスという万年下位の貧乏球団のGMとして日々を過ごしていた。トレード交渉のために他球団のオフィスを訪れたビーンは、イエール大学卒業のスタッフ、ピーターに出会う。ブランドは各種統計から選手を客観的に評価する『セイバーメトリクス』を用いて、他のスカウトとは違う尺度で選手を評価していた。ビーンは彼を自身の補佐として引き抜き、他球団からは評価されていない埋もれた戦力を発掘し、低予算でチームを改革しようと試みる。

感想

この作品では、数字のパワーを実感しました。

冴えない貧乏球団アスレチックスのGM(ゼネラルマネージャー)であるビリー・ビーン(ブラッド・ピット)は「貧乏だからスター選手が呼べない、スター選手がいないから弱い、弱いから資金がなく貧乏」という悪循環の中でもがいていました。

怪我をした選手、年齢が旬を過ぎた選手といったスター落ちしかトレードで手に入らない状況で為す術がなかった所、ビリーは他球団で出会ったピーター(ジョナ・ヒル)にセイバーメトリクスという持論を展開されます。

セイバーメトリクスとは?

ビーンは野球を「27個のアウトを取られるまでは終わらない競技」と定義し、それに基づいて勝率を上げるための要素を分析した(野球を統計学的手法をもって分析することをセイバーメトリクスと呼ぶ)。過去の野球に関する膨大なデータの回帰分析から「得点期待値」というものを設定して、これを上げるための要素を持つ選手を良い選手とした。具体的に述べると、出塁して長打で得点することが最も効率的である。 wikiより引用

この戦法に興味を持ったビリーはピーターを引き抜き、セイバーメトリクスを駆使してトレードを進めていくんですがこれが面白いです。

打率よりも出塁率、球速よりも被長打率(長打を打たれない率)を重視して性格や年齢、スター性などは完全に度外視してデータだけを頼りにする。

目的は「会場を沸かせること」ではなく「ゲームに勝利すること」と言わんばかりで、データから外れた選手や優れたデータを叩き出す選手がいたら躊躇なくトレードする姿勢も印象的でした。

成功の鍵を握るのが太ったデータオタクのジョナ・ヒルというのも痛快で、野球というメジャースポーツが一人のナードによって攻略されている様は愉快でした。

終始重苦しい空気がたちこめ、比較的にうまく行ってるシーンでも「もしかしたら、一寸先は闇なのではないか?」という危うさがあり緊張感を持ちながら楽しむことが出来ます。

事実を基にした作品なので野球ファンの方はどのような結末になるかはご存知かもしれませんが、わたしはこの球団の名前すら知らなかったので最後まで決着がわからずドキドキしながら楽しむことが出来ました。

誇張表現は少なく、期待・不安・哀しみ・怒りといった登場人物の感情を淡々と表現していく心に染みる作品でした。

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こんな人におすすめ

落ち着いた雰囲気のドラマを見たい方におすすめです。

作中では幾度となく主人公はピンチに陥るのですが、曲調が大きく変わることや派手な演出はなく「そうなったからしかたない」というような諦めが常に漂っています。

GMであるビリーも、経営陣も、集められたポンコツ選手たちも、つねに諦めながら試合に臨んでいるようにみえました。

どこへ行って、何をしようが俺たちの限界は見えている。大人だから。諦めがつきまとう雰囲気へ、ピーターやセイバーメトリクス理論が一筋の光を差し込みます。

だからといって急に事態が好転するわけはなく、模索を繰り返しながら前へ進む姿には胸を打たれます。

アクションやSFでは味わえないドラマ映画ならではの、落ち着いた高揚感を楽しめるのではないでしょうか。

数字のパワー

正直な所、数字が野球を攻略するという話はワクワクすると同時にガッカリしました。

統計オタクの考えた理論で野球を攻略するという考えは楽しく、理論通りの理想的なチームを組めば勝てるのでは?という流れにはワクワクさせられました。

ですが結果的に、攻略できてしまうようになるとそれはそれで落胆したものです。

プロになる球児は必死になって練習して、打率を高め、活躍しようと励んでいるはずです。そうして血の滲むような努力をして勝ち上がった選手たちを文字通り「ゲームの駒」として扱うわけです。

自分たちの都合で彼らを振り回し、ステータスが勝利に近い陣形を組さえすれば勝てるのってそれ人間でやる意味あるの?って思いました。

スポーツというものは行為だけ見ればただの玉遊びですが、選手たちのバックボーンや試合自体の重みが感動を生むものだと私は思っています。それなのに、選手を「データが勝利に近くなるよう寄せ集めただけ」では感動もクソもありません。

セイバーメトリクス理論には当時批判が相次いだらしいですが、批判する気持ちもわからなくはありません。

マネー・ボールのように数字がリアルや感動を食いつぶす事象は、これからも色んな場所で起こっていくでしょう。数字のもたらすパワーに感心しながらも、ちょっぴり怖くなった作品でした。

マネー・ボール、おすすめです。

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