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まいにちNetflix「夜明け告げるルーのうた」【感想・レビュー】

まいにちNetflixは、管理人の@ぎゅうにくNetflixで「面白い!」とうなった映画・アニメ・ドラマをまいにち紹介する企画です。

本日紹介する作品は映画「夜明け告げるルーのうた」です。

四畳半神話体系や夜は短し歩けよ乙女を手がけた湯浅監督のオリジナルアニメーション映画。

歌が大好きな人魚の女の子ルーが、同じく音楽を好きな主人公と出会い正体を隠しながらニンゲンの世界を楽しむストーリー。

個人的には2018年で見た30作以上のアニメーション映画の中でも1番面白かった作品なので、この機会にルーについて知っていただけると嬉しいです。

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キャストとあらすじ

映画監督:湯浅政明
キャスト ルー:  声 谷花音
     足元カイ:声 下田翔大

あらすじ

東京出身の中学三年生である足元カイは、日無町という人魚の伝承がある漁港にの父の実家で、父・祖父と三人で暮らしていた。感情を見せないカイは音楽が趣味で、夏休みが近づいた頃、自作の打ち込みを動画投稿サイトにアップする。それをきっかけに同じクラスでバンドを組んでいる遊歩と国夫にメンバーに誘われる。渋々メンバーとお陰岩という場所で練習をするカイは、人魚を目にするのだった……

ネタバレ無し感想

種族を越えた友情を描く、儚い作品でした。

森見登美彦原作の小説が元になったアニメ「四畳半神話大系」を手がけた湯浅監督の作品なんですが、湯浅節が今回も炸裂しています。

ヌルヌル動くキャラクター、大げさにぐにゃりとキャラの形を変える表現、色彩鮮やかに画面がいろどられテーマパークにいる気分にさせてくれます。

人魚は音楽が好きという設定から、終始こころを弾ませる音楽が流れるのもミュージカル映画のようで楽しいです。

そんな「まるで子ども向け」のようなふわふわ~っとした、ゆるい空気感で進めていきながらも作中での「人魚」への島民の恨みや恐れがゆっくり盛り上がっていきます。

「崖の上のポニョ」のような展開で、家に押しかけてきた人魚と友達になるのですが、どうやら「異性物と仲良くするだけ」の作品ではない様子。

人魚によって愛する人を亡き者にされた老婆や、人魚によって母を昔うしなった肉親が人魚への暗い感情をぽつりぽつりと語っていきます。

島民の大人たちと子どもな主人公たちの人魚へのスタンスには大きな温度差があり、少しずつ衝突が起きていく。

いままでただの友人だった人魚が恐れの対象になった時、主人公たちは、大人たちはどう行動し人魚はどんなふうに応えていくのか。

「画が楽しい子ども向けアニメ」のような生ぬるいオチでは終わらない、鑑賞前になめてかかっていた私を吹き飛ばす重みのある作品でした。

「夜明け告げるルーのうた」は2018年に観たアニメ映画たちの中で「君の名は」を抜いてぶっちぎりの1位に君臨する作品なので、是非ウォッチしてみてください。

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こんな人におすすめ

湯浅監督の作品が好きな方、異種との友情モノが好きな方におすすめです。

「夜は短し歩けよ乙女」や「四畳半神話大系」のような演出が好きな方にはおなじみの楽しい光景が広がり、ただ楽しいだけではないストーリーの進め方にも満足できるのではないでしょうか。

異種との友情ものとしても面白く、おとなたちに排斥されるルーを弱気な主人公が全てを振り絞って支える姿はこころを打ちます。

主人公とルーの距離感がストーリーの進行によって遠くなり、近くもなる。バディものが好きな方も、二人の距離感のゆらめきに楽しさを見いだせるのではないでしょうか。

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ネタバレ感想

楽しさと不安の緩急にやられるレベルの高い作品でした。

こういった異性物ものでは、異性物の危険度や周りが存在を認知しているかの具合によって楽しみ方が変化します。

カードキャプターさくらのケロちゃんのような妖精は「危険ではない」ですし「異世界から来たので誰も知らない」ので、見つかってもギャグですみます。

今回のルーは「知る者にとっては危険な存在」であり「古来から伝わる災厄」です。

おとな全員が危険だと認知しているわけではないというのも面白く、人魚への想いが楽観→不安→恐怖へと変化していく様は観ていて愉快でもありながら心地の良いものではありませんでした。

そしてこの想いが変わっていくのは大人たちだけでなく、観ている私もそうだったのです。

最初は「なんだ、こういうのね。はいはい」といった感じでかる~く観てたのですが、話が進むにつれて「いや、そのエピソードは重いのでは?どう落ち着くんだこれ」と不安になり、お父さん人魚がキレて街を爆走するシーンは本気でどこへ着地するのかわからず混乱しました。

対立?ルーはどうなるんだ?というかお父さんが死んだらまずいだろ。恨みを持った島民はどうやって納得させるの?

ハラハラしながら一部始終を見守るわたしでしたが、あの終わり方には思わず涙腺が緩みました。そういうことね、そういうことだったわけだと。

人魚が噛めば人魚になるという特性から「ルーがカイを噛んでしまうんじゃないか」というシナリオも浮かびましたが、そのような展開にはなりませんでした。

異種間の友情ものは、異種であるがゆえに尊いのかもしれません。

笑って、楽しくなって、少し泣ける「夜明け告げるルーのうた」、おすすめです。